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感染ルンです。。。

感染ルンです。。。

デジタル赤外線写真@Nikon COOLPIX 990

さてさて、一旦組み上げた赤外線デジタルカメラに電池を入れて電源をONしてみました。

ぎぃっ

ほっ。なんとか液晶が写りました。そこに現れた画面は正に赤っぽい状態でした。むぅ。うまくいったのか?。

つーことで早速赤外線が沢山降り注いでいる屋外へ出かけることにしました。液晶全体がに赤がかかっているので赤色によく反応しているとはわかりました。そこで赤外線写真といえば空が黒くなり緑が白っぽくなるのが定番です。そこで空と緑を撮ろうと遠景にカメラを向けました。

ん?

んんん?

ピントが合わない(汗)
どーやってもピントが合わない。しまった!CCDの取り付け位置を間違えたか?ひとまず赤い画面はわかりにくいし、一旦画像をチェックして、カメラもチェックせねば・・・

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左が改造する前のカラー写真です。
中がそのカラーを白黒にした写真です。
そして右がピントなくともひとまず撮影した初赤外線デジタルカメラの画像を白黒にした写真です。

中と右を比べてみると赤外線フィルム効果が出でいることがわかります。空は通常よりも暗くなり、木の葉は通常よりも明るくなっています。とはいえ現在のCCDの状態は波長の短い紫から長い赤に加えて赤外領域も一緒に写っている訳です。通常赤外線写真を撮影するときにはその可視光線域をカットするので、赤いフィルターを使います。

と可視光線域カットフィルターを使う前にカメラをチェックしてみましょう。無限遠にピントが合わないってことはCCDが正確な位置よりも遠くなっているからでしょう。再度カメラを分解してCCDを見てみましたが特にがたつく訳ではありませんでした。そこで再度IRカットフィルターをCCD前のゴムパッキンに取り付けて様子を見ることにしました。するとどうでしょう。CCDの位置は全く変わったことがないのにちゃんと無限遠にピントがきます。確かに可視光域に比べると赤外線はピントがずれるのですが、ここまで来ないのはおかしいです。ということは、IRカットフィルターにレンズ効果があるのかとチェックしてみます。ところがかざしてみても特にゆがみは感じられません。むぅ。わからない・・・基本的に構造上IRカットフィルターが入っている状態よりも前にCCDを取り付けることができないので、別の対策を考えることにして実験を続けることにしました。

さて、可視光線をズバッとカットするフィルターを購入しました。取り扱いと種類の多さでフジフイルムのトリアセテートフィルターをチョイスしました。ガラス製フィルターだと「R60」を良く使います。これは600nm以下をカットする赤色フィルターです。人間の可視光域がおよそ400~700nmですから「R60では赤い可視光域も若干取り込むことになります。白黒用として今までも「R60」は使っていたので持っています。そこで購入したのは、「SC66」「SC70」「SC74」「IR78」の4種類にしてみました。SCはシャープカットの略です。名称の数字に「0」をプラスして3桁にした波長以上をカットします。

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これらを肉眼で見ると「SC66」では結構ダークな赤色でフィルターの向こうの景色が見えますが、残りの3枚はほとんど、いや、ぜんぜん見ることができません。

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きちんとIRカットフィルターが入っているデジタルカメラで撮影してみました。
左が「SC66」です。向こう側が多少見えます。
中が「SC70」です。可視光域ぎりぎりなのでほんの少しだけ向こう側が見えます。
右が「SC74」です。ここまで来ると可視光域のほとんどをカットするので全く見ることができません。

それではCOOLPIX 990赤外線撮影仕様のレンズ前にフィルターをかざして撮影してみました。これから以下の写真は、左がフィルターをかけて撮影したカラー画像。右がそのカラー画像を単純にグレースケールにしてみた白黒画像です。


「SC66」フィルター
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可視光域がかなり残っているので、葉っぱに緑色が多少入っています。女性の髪の毛もイメージ的にはやや明るい白黒のセッティングに似ています。


「SC70」フィルター
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可視光域ぎりぎりなのに画像をしっかりとらえています。このことからCCDはかなりの赤外線を受光していることがわかります。葉っぱも白くなり、空も暗くなり、女性の肌や髪の毛や瞳が明るくなってきました。


「SC74」フィルター

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もうほとんど赤外線域そのものです。色が多少付いているのはなぜでしょう。恐らくですが、CCDの1画素1画素にはカラーマトリクスフィルターが付いていますが、そのRBGフィルターによってそれぞれの色のみに感じる素子になっているとはいえ多少他の色域にも感じるのでしょう。赤外線をよく反射する物質については白くなっています。


「IR78」フィルター

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完全に赤外線のみCCDが受光しているのでしょう。グレースケールに変換してもほとんど変化がみえません。つまり本気の赤外線のみで表現されている写真と言えると思います。フィルターはホント真っ黒で肉眼にかざしたとしてもフィルターの向こうは何も見えないんです。でもその真っ黒のフィルターを通過する見えない赤外線だけで構成している写真って、なんだかとっても神秘的です。それとビックリしたのが、もちろん露出計で測定することが全くできない赤外線ですが、CCDに直接受けている訳ですし、その画像をチェックすることができる訳ですから、赤外線の適正露出までしっかりわかってしまうところが深いです。誠に凄い。

ひとまず無限遠が得られないことが不満ですが、初めてやってみたデジタルカメラの改造にしては成功したと言えるでしょう。CCDの位置を直すことができそうにないので、遠視系眼鏡を取り付けてれば何とかなるかな?



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